残酷Emperor
無我夢中で走っていた時、グイッと誰かに腕を掴まれた。
私はバランスを崩し、コンクリートの上に尻もちを着いた。
「い、いったあ〜」
何よ、いきなり!!
私はその人物を見上げた。
「……どうも、“朱美さん”」
な、なななななーー!
男はクスリと笑った。
昨日は、あんな貴族っぽい格好だったのに……今日はジーパンに黒の長袖にコート?
なーんか、第一印象が強すぎたせいで……ちょっと拍子抜け。
って、
「な、ななななんで私の、な、名前を!」
私はスカートを払い、素早く立ち上がる。
お尻のジンジンした痛みなんか、構っちゃいられない。