双子の姉妹の マキとマイ
そんな、やり取りを続けていると、目的の場所についたらしく、私の手をはなした。

宙が連れてきてくれたのは、ちょうど試合を目の前で見れる場所。


ほえ~!


こんな場所あったんだ!


「ここなら人来ないし、試合がよく見えるだろ?」


え?もしかして、そのために試合を抜けてきてくれたの?


宙はフッと鼻で笑った。


いや、顔は無表情のままだから笑ったとは言えない。


宙ほその表情のまま言った。


「ちょこちょこと動き回ってるの、コートから丸見えだったぞ」


むむ……。


なんか不愉快~!


私はぶーっと頬をふくらまして、ありがとうって言った。


お礼は忘れちゃダメよって、お母様から言われてるから、ありがとうはちゃんと言う。


宙は壁にもたれかかると試合を見始めた。


私もつられて、試合を見る。


ちょうど響夏がシュートを決めたときだった。


宙かおもむろに言った。


「そう言えば、マイがこのごろ見てるドラマってこんなんじゃなかったっけ?」


私は最近、『てぇれぇぶぅぃ』って言う薄っぺらい箱で見れる、ドラマっていうのにはまっている。


私はうん!っと頷いた。


「主人公の女の子がバスケ部の仲が良かった男の子に初恋をして、その男の子の試合を応援しに行くの。そしたらその男の子が試合に勝った瞬間、コートの上で女の子に告白するっていう話だよ!」


私はニコニコしながら言った。


このお話すっごく大好きぃ~!


宙は無表情で言った。


「うわ、ありきたり。しかもパターンが古すぎ。今どきそんなことする奴なんかいないぜ?そのドラマ駄作だな」


スパッと言われてしまった。


さすがに腹が立った私は、ムッとした表情で言った。



「いいんです~!男の子、すっごくかっこいいから!」


なによぉー!


人の好きなものに、ケチつけなくたっていいじゃーん!


私はぷいっとそっぽを向いた。
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