双子の姉妹の マキとマイ
「マキ!!」


響夏が満面の笑みで私に手を振っている。


何気無いこの瞬間が、私を幸せにしてくれる。


「待たせたわね」


「ぜんっぜん!」


響夏はグッと親指を立てた。


相変わらず全てがうるさい響夏。


私はため息をついて、人間界に通じる扉の前に立った。


これをくぐれば、魔界とはしばらくバイバイ。


やっぱり故郷を離れるのは躊躇する。


響夏は私の頭を撫でて優しく言った。


「お母さんとかに会わなくてよかった?」


「ええ。魔界に残りたくなっちゃうもの」


私がニヤッと笑って言うと、夏樹はフハッと吹き出して言った。



「それは困る!さぁ、帰ろ!!みんな待ってるよ!!」


円香にマイに宙に。


私にドキドキとワクワクをくれる人間界。


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