虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


パッと振り返ったわたしの顔に、赤いものがかかる。



それが“血”だと気付くのには、そうかからなかった。


わたしの足元に倒れていたのは、あの芹沢さんを馬鹿にしていた力士だった。



「っ――――」



恐怖よりも、突然のことに驚きすぎて足が動かない。



「睦月! 後ろ!!」



藤堂さんの声に、視線を前に戻す。


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