虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「――――っ」
「だから、睦月は何も悪くないよ」
・・・って、僕が言うのも変だけどね。
と、笑う藤堂さん。
その顔が、ぼやけて見えなかった。
頬に、何か温かい物が伝う。
「え、ちょっ! 睦月!?」
藤堂さんが焦ったように、わたしを覗き込む。
それでも、涙を止めることが出来なかった。
悲しいわけじゃない・・・嬉しかった。
本当のわたしを見ていてくれたことが、いつも通りに接してくれたことが――――