虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


そんなわたしを見た藤堂さんが、わたしの手を引いて外に出る。


涙で視界がぼやけていたわたしは、よく前が見えない。


慌てて目を擦ると、目の前は黄色いもので覆われていた。



「・・・何ですか、これ」


「向日葵だよ。 僕が毎年植えて育ててるんだ」



屯所の裏だろうか?


そこは、満開の向日葵が咲いていた。



「――――藤堂さんにぴったりの花ですね」



太陽に向かって、必死に背を伸ばすところ。


真っ直ぐ上を向いているところ。


そんな所が、そっくりだ。


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