虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


だって、何も記憶に無いんだもの。



「ま、さか・・・」



顔を歪めて、部屋を飛び出して行く、美丈夫。


わたしには、一体何が起こっているのか、全く理解出来ない。


ドタドタと、廊下を走る音が聞こえてくる。


勢いよく開かれる、襖。



そこには、息を切らした美丈夫と・・・


もう一人の、細身の男が立っていた。



「睦月・・・さん?」


「えっと、何方ですか?」


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