虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「ゴホッ、ゲホッゲホッ!!」
朝の道場に、響く咳の音。
今、道場にいるのはわたしと玖於、そして・・・
「・・・大丈夫ですか、沖田さん?」
沖田さんの、三人だけ。
忠実に動いている歴史。
そして、それに沿って沖田さんは、労咳に蝕まれている。
労咳は、死病と呼ばれていた。
だから・・・わたし達には、何も出来ない。
この人に、『療養しろ』と言っても、絶対に聞かないだろう。