虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「いや・・・寝れなくてさ。睦月も?」
気まずそうに話し出す一条。
・・・やっぱり見られたか。
「いや、わたしは眠れないんじゃない。寝ないんだ」
「なんで?」
不思議そうに聞いてきた。
「わたしはあいつらを、人を信用しない。絶対に。
だから寝ない、闇討ちされたら直ぐ対応出来るように」
そういったわたしを一条は悲しそうに見てきた。
「なんで信用しないの?いい人たちじゃないか」
・・・なんでそう簡単に人を信じる。
どうせ人はすぐに裏切る。自分が、自分が一番可愛いのだ。
自分を守るためなら何でもする・・・そういう生き物だ、人間というモノは。