わらって、すきっていって。
◇
ケーキバイキングではたぶん、今世紀最大に食べた。お腹がはちきれてしまうんじゃないかってくらい。ていうか、本当にはちきれてもおかしくないと思う、いまなら。
細いくせに結構食べるえっちゃんと、ああ見えて実は甘党なちーくん。ふたりに合わせていたら、お母さんの手作りケーキはさすがにお腹に入ってくれなくて。夕食のごちそうでいっぱいいっぱいだったので、もうものすごい勢いで謝ってお願いして、ケーキはあしたの朝に食べることにした。
安西小町、あだ名はあんこ。18歳を迎えても、やっぱり計画性は皆無なようです。
プレゼントは、えっちゃんとちーくんから、お洒落でかわいいアロマキャンドルを。お父さんとお母さんからは、ずっと欲しいと言っていたショートブーツをもらった。
おばあちゃんとおじいちゃんからもお祝いのお金が届いていたらしい。
みんなからもらったものを部屋のカーペットに並べてみると、なんだか胸の奥がほっこりした。
誕生日は毎年すごく幸せだ。11月30日だけは、わたしが世界中の幸せをひとりじめしているんじゃないかって感じるし、たぶん本当にそうなんだと思う。
もちろん今年もそれは例外じゃなくて。きょうはちょっとお腹が苦しいけれど、それすら、やっぱりすごくうれしくて。
ああ、よかったなあ。わたし、生まれてきて、いままでがんばって生きてきて。みんなと出会えてよかった。お父さんとお母さんの娘に、おじいちゃんたちの孫に生まれてよかった。
失恋がなんだっていうの。いいじゃない。わたしはこんなにもたくさんのひとに愛されているんだ。
そうだよ。いいんだ。本城くんからLINEがこなくたって。本城くんのスマホのカレンダーから、わたしの誕生日の登録が消えているかもしれなくたって。
そんなの全然、へこむ理由になんかならないよ。
「――小町、お客さんが来てるよ。ホンジョウナツキくんっていう男の子」
ノックもなしに部屋のドアが開いた。それと同時にお母さんが発した言葉に、ひっくり返って気を失いそうになった。
ケーキバイキングではたぶん、今世紀最大に食べた。お腹がはちきれてしまうんじゃないかってくらい。ていうか、本当にはちきれてもおかしくないと思う、いまなら。
細いくせに結構食べるえっちゃんと、ああ見えて実は甘党なちーくん。ふたりに合わせていたら、お母さんの手作りケーキはさすがにお腹に入ってくれなくて。夕食のごちそうでいっぱいいっぱいだったので、もうものすごい勢いで謝ってお願いして、ケーキはあしたの朝に食べることにした。
安西小町、あだ名はあんこ。18歳を迎えても、やっぱり計画性は皆無なようです。
プレゼントは、えっちゃんとちーくんから、お洒落でかわいいアロマキャンドルを。お父さんとお母さんからは、ずっと欲しいと言っていたショートブーツをもらった。
おばあちゃんとおじいちゃんからもお祝いのお金が届いていたらしい。
みんなからもらったものを部屋のカーペットに並べてみると、なんだか胸の奥がほっこりした。
誕生日は毎年すごく幸せだ。11月30日だけは、わたしが世界中の幸せをひとりじめしているんじゃないかって感じるし、たぶん本当にそうなんだと思う。
もちろん今年もそれは例外じゃなくて。きょうはちょっとお腹が苦しいけれど、それすら、やっぱりすごくうれしくて。
ああ、よかったなあ。わたし、生まれてきて、いままでがんばって生きてきて。みんなと出会えてよかった。お父さんとお母さんの娘に、おじいちゃんたちの孫に生まれてよかった。
失恋がなんだっていうの。いいじゃない。わたしはこんなにもたくさんのひとに愛されているんだ。
そうだよ。いいんだ。本城くんからLINEがこなくたって。本城くんのスマホのカレンダーから、わたしの誕生日の登録が消えているかもしれなくたって。
そんなの全然、へこむ理由になんかならないよ。
「――小町、お客さんが来てるよ。ホンジョウナツキくんっていう男の子」
ノックもなしに部屋のドアが開いた。それと同時にお母さんが発した言葉に、ひっくり返って気を失いそうになった。