わらって、すきっていって。


『きょうはありがとう。これからよろしくお願いします!』


なんだか付き合うみたいな文面だってことに気付いたのは、それを送信してから10分後のこと。

返事がくるどころか、既読すら付かない。既読が付いたかどうかを何度も確認しているところが、なんとも情けなくてたまらない。


お風呂から上がると、すぐに自分の部屋にこもって、スマホをぎゅっと握りしめてベッドに転がった。なんとなくパックをしてしまうのは、きっと、いや絶対に、本城くんのせいだ。

結局あのドーナツは最後まで食べられなかった。でもわたし、本城くんと……間接キス、しちゃったんだ。

考えただけで恥ずかしくて死にそうだよ。思わず掛け布団を頭のてっぺんまでかぶってしまう。


「――わあっ!?」


ふいにスマホが震えた。本城くんからの返事かと思って飛び上がったけれど、えっちゃんからの着信だった。


「なんだえっちゃんか……」

「なにそれー。悪かったなあたしで」


開口一番に文句を垂れたわたしに、彼女もまた不服そうな声を出す。


「ごめーん。どうしたの?」

「いやあ、きょうのあんこはなかなかがんばってたなーと思ってさ。どうよ?」

「どうって?」

「本城に決まってんでしょ。なんか仲良くしてたじゃん。連絡先も交換してさー」


やっぱり。なんとなくその話題のような気がしていた。

ただ、受話器の向こうのえっちゃんは、気にかけてくれているというよりも、完全に面白がっているような感じだ。
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