ハンドパワー
「その運転していた車は、貴雄なんだ」
「何で?」
私はすぐさま質問した。
「お前らの両親が、俺のやることやることに口出しするからだよ!!」
こいつ…
私の両親と春の両親を…
しかもこんなくだらない理由で…。
「春?」
春の方を見ると、もう何も言えなさそうな感じがしていた。
何だよ!!
もう私は手に目一杯力を入れた。
特別に縁取るのはやめておく。
いくらムカつくって言っても、相手は人間だから。