ハンドパワー
最後の言葉で、私は渡辺貴雄を壁にぶつけた。
「温秘、やめなって!!」
「どうして?
なんでやめなきゃいけないの?
この人は…
私の中で、一番の要らない存在なんだよ?!
春は何も言わなくていいの?!
春が一番大事にしていた、これからも大事にしようっていう人を殺されたんだよ?!
しかもくだらない理由で!!
それなのに何で私は我慢しないといけないの?!
春!!
今まで両親がいなくてよかったなんて思ったことないでしょ?!
だから言わないと!!
コイツに!!
今までの思い、すべてぶつけないと!!」