甘い蜜は、危険な毒
何気なく図書館へと足を運ぶと肩を叩かれた。

「百合チャン?」

小声で呼ばれた名前に振り返ると葵君の友達、祐介君がいた。

「葵は?」

その言葉に首を横に振る。すると、祐介君は眉間に皺を寄せて難しい顔をした。そして私の手首を掴むと、人気のない本棚へと連れ込む。

「百合チャン、浮気ってどう思う?」

真剣な瞳で私を見る彼に違和感を覚えた。

「許せないけど…。」

そう言うと祐介君は口の端を上げて妖しい顔を見せる。

「じゃあ、俺と浮気しよっか。」
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