あなたの心にいる人は… (完)
何て答えようかと思いながら焦っていると


「へっ?!」


突然両わきから手首をつかまれた


右手は廉


左手は毅


「すみません、職業病です」


「葵、無理して食べなくていい」


「え?」


右手を掴んだまま廉が私を見る


「横になったほうがいい」


ちょうどこの場所から逃げ出したかったから私は頷いた


「残してごめんなさい」


「気になさらないでください」

< 41 / 269 >

この作品をシェア

pagetop