あなたの心にいる人は… (完)
言われた通りに座るとすぐ廉が脈を調べる


完全に医者の顔…


「休憩時間をのばす」


「大丈夫です!」


「頭痛と嘔吐。貧血と精神的ストレスから来るものだ。式で吐かれたら困る」


そういう理由ね…


「ならご心配なく。平気です」




私に向ける廉の瞳はいつも冷たい


私がずっと好きだった廉はこんな瞳をしてなかった


少なくとも姉が生きているとき

姉に向ける瞳は優しくて温もりに満ちていた


私は…


あの優しい瞳で廉に見てほしかった


私を…
< 9 / 269 >

この作品をシェア

pagetop