《俺様的》彼女の手なずけ方
そう言われても、気になるよ。




天音ちゃんを見ると、コンパクトミラーを手に前髪を整えている。




「ダメだわ、こんな前髪では。わたくし、これから美容室へ行ってまいります。明日に備えなくては」




「ええっ!?」




「専属のスタイリストがちょうど休暇中なんですの。美容室…今から予約できるところなんてあるんでしょうか」




「探せばあると思うけど…って、前髪が問題!?」




「そうなんですの。前髪が不ぞろいで、恥ずかしいですわ」




姿勢も正しく由緒正しいお嬢様だし、前髪はさほど気にならないと思うんだけどなぁ。




それより、明日の時間とかそっちの方が気にならないのかな?




さすが、天音ちゃんだ。




「篠原さん、ドレスはあるの?」




京子さんが問いかけてくる。




「ドレス…ね。あたし、制服で行こうと思ってる。これがあたしの正装だから」




学生だもん、なにもおかしくないよね?




胸を張っていると、京子さんが首を横に振った。




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