《俺様的》彼女の手なずけ方
「遅くなり申し訳ございません。お手伝いさせていただきますね」



ハッとして振り向くと、そこにはエプロンをしたお手伝いさんらしき女性が立っていた。



「あなたは…」




「ああっ、申し遅れました。私は、天音様の専属メイドでございます」



メイド…なんだか、本の中の登場人物のよう。



年配の女性で、物腰は柔らかい。



「それをお気に召しましたか?ご試着なさいませ」



「えっ、そういうわけでは」



「天音様から、申しつかっております。お手伝い致しますよ」



わ、わっ。



あれよあれよという間に、ドレス姿になる。



鏡にうつっている自分は、違和感だらけ。



「髪は、どういたしましょう。本日スタイリストが休暇をいただいておりまして…」



ポニーテールがあたしのトレードマークだ。



だけどドレスには不似合い。



「このままでいいです…明日は、自分でなんとかします」



「そうですか、私も少しならアレンジできますのでそこにお座り下さいませ」



髪型までお世話になるわけにもいかないとはおもったんだけど、優しい笑顔で迎えられ、思わずイスに腰掛ける。



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