《俺様的》彼女の手なずけ方

天音ちゃんが出かけたあと、ひとり立ち尽くす。



ドレス…かぁ、やっぱり柄じゃない。



そういえば、前に清香の家にお呼ばれしたとき…ナルが助けてくれたよね。



あんな風に着こなせたのは、ナルのおかげ。



エスコートしてされたから、まるで魔法がかかったみたいに綺麗になれたんだ…。



懐かしい思い出、もうあの日は戻らない。



ナルの気持ちを、もっと早く受け止めていたら…なにか変わっていたのかも。



…やだな、こんなのあたしらしくない。



もう、守ってくれるナルはいないんだよ。



このドレス…素敵だな。



暖色系のドレスの中で１枚だけ、寒色系のドレスを見つけた。



鮮やかなブルーのドレス。



他のものより宝飾品も少ないし、シンプルで素敵。



これなら、あたしにも似合うかな？



手に取っていると、うしろから声がした。