《俺様的》彼女の手なずけ方
「では、少しお借りしますね」



ペンダントを受け取り、そっとハンカチに包んだ。



送ってもらう最中、運転手さんだけが乗った車の中で、目を閉じ今までのことを振り返る。



学園に転校してから、色々なことがあったよね。



嫌なこともあったけど…そのおかげで、天音ちゃんっていう友達もできた。



天音ちゃんのお母さんの友達は…どんな気持ちで、これを渡したんだろう。



自由を手に入れるために、全てを捨てた。



残された人たちを、置き去りにして…。



それは、逃げとは違うの?



置かれた境遇は違えど、あたしがついこの間までやろうとしていたことと、何が違うのか。



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