《俺様的》彼女の手なずけ方
「詳しくは、わかりません。ただ、何もかも不自由ない生活が、ずっと退屈だとおっしゃっておられました。

家柄も、婚約者も全て捨て、旅立ったそうです。あの方は、本当の自由を手に入れたのだと…奥様はいつも羨ましそうに語っておいででした」



自由を…手に入れた。



どれだけ堅苦しい生活をしていたのか、その言葉で理解した。



婚約者まで決められている、定めれた未来。



まるで、ナルのよう…。



あたしのために、全てを捨てようとしていたナル。



とんでもないと思っていたけど、それを本人が望んでいるなら…。



幸せな未来を自ら選択することは、あながち間違いではないのかもしれない。



< 569 / 711 >

この作品をシェア

pagetop