《俺様的》彼女の手なずけ方
「お母さんは…そんなに長い間、ひとりでどこにいたの?」


お嬢様育ちで、生活力もないはず。



だけどあったのなら、ものすごいバイタリティだよね。



「ひとりじゃないわ…あの子は、あなたと一緒だったから頑張れたの」



「え…」



「お腹に、あなたがいたんですって…うちの父親に見つかったら、堕ろされるのはわかっていた。

葵ちゃんを守るために、逃げたの」



あたしを…守る、ため?



呆然としていると、おばちゃんがあたしの肩に手を置く。



「あの子、婚約が決まってから…ずっと塞ぎ込んでいたわ。卒業したらという話だったけど…耐えられなかったんでしょうね。

前の家に幼なじみの男の子がいたの。付き合っていたのに、その子と引き離すためだけに引っ越しまでしたの」



「まさか、その人が…あたしのお父さんなの?」



「そうよ。だけどあの子、誰にも告げず…もちろん篠原くんにも告げずに、シングルマザーとして生活をしていたの。

葵ちゃんのことを、なにより第一に考えて生きてきたのよ…」


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