お嬢様になりました。
オムライスを一口食べ、ふと玲と目があった。


玲が笑みを零すと、パッと周りに花が散る。


その笑顔はいつも綺麗で、ドキッとしてしまう。



「前から気になってたんだけど、玲って何でバッジつけないの?」



初めて会った時から玲の襟元には、SSのバッジがついていなかった。


だから同じクラスだとは思っていなかった。



「つけたくないから」



玲らしい。


私がつけてなかったら、相模先生にあのドスのきいた顔で注意されそう。


スカートのポケットに入れている携帯が震え出した。



「もしもし」

「お前今、昼飯中?」

「そうだよ、どうしたの?」



お昼に竜樹が電話を掛けてくるなんて珍しい。


何かあったのかな?


なんて少しだけ心配になる。



「花火大会行かね?」

「行きたいっ!! でも去年みたいに喧嘩しないでよね」

「しねぇーよ」

「約束だからね。 でもまぁ、竜樹が喧嘩売ってる訳じゃないから難しいか……」



竜樹って高校卒業するまで、喧嘩を売られ続けるんじゃないだろうか。


中学の頃は荒れてたみたいだから、しょうがないのかも。





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