お嬢様になりました。
「花火大会?」

「そう、花火大会」

「俺も行く」

「……は?」



今何て?


どうか私の聞き間違いであってほしい。



「俺も行くって言ってんだよ。 何か文句あんのかよ」

「あるに……」

「隆輝さんが行くなら私も行くわ」



私の言葉を遮った橘さんも、信じられない事を言った。


何でそうなんの!?



「だったら二人で行けばいいじゃん」

「ふざけた事言ってんじゃねぇよ。 お前がいなかったら行く意味ねぇだろ」



今サラッと恥ずかしい事言わなかった!?


わざと?


それとも無自覚なの!?



「あ? 何照れてんだよ、バーカ」

「別に照れてない!!」

「あっそ」



ニヤッと笑う隆輝は勝ち誇った様な顔をしていた。


なんか悔しい。



「俺も行っていい?」

「お前は仕事でもしてろよ」



隆輝と玲の間に火花が見える気がするのは気のせい?


最近は以前にも増して、二人は仲が悪くなった気がする。



「いいよ、玲も一緒に行こう」

「おまッ、ふざけんな!!」

「耳元で煩いな!! 隆輝に決定権はないんだから黙っててよ!!」



無理矢理入り込んできたんだから、隆輝に文句言う権利はない。


本当、自己中なんだから。



「芽衣は行ける?」

「旅行と被らなければ、私もご一緒させて下さい」



芽衣も来れたらいいな。


この学校で初めて出来た友達だから、竜樹と華に一番に紹介したい。





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