お嬢様になりました。
ゲームセンターに着き、あまりの音の煩さにやはり玲、隆輝、橘さんは顔を顰めた。


私にとって別に何ともない所でも、この人たちにとっては信じられない場所なんだろうな。


本当に住む世界が違う人たちなんだと思った。


私はそんな世界に飛び込んでしまったけど、今更自分を変えられるのか不安だ。



「すっごい並んでるー」

「まぁ今日みたいな日はしょうがねぇんじゃん?」



大半の女の子たちは浴衣を着ている。


男の子は甚平を着てる人がちらほら。


男でも浴衣を着ているのは、隆輝と玲くらいだ。



「えっ!? うそぉぉぉー!!」



プリクラの順番待ちをしていると、煩いゲームセンター内に負けないくらい、女の子の甲高い声が響いた。


その声の持ち主は案外近くにいて、気付けば玲が女の子に囲まれていた。



「レイ君だー!! 一緒にプリクラ撮ろうよーっ!!」



玲って何処にいてもこんな風に話しかけられるのかな?


有名人って大変だな。



「いいの?」



華に小さな声で耳打ちされ、私は頷いた。



「いいも何も、玲のファンだし、私がとやかく言う事じゃないから」





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