お嬢様になりました。
眉間に皺を寄せた竜樹にビシッと箸先を向けられた。



「お前、それ本気で言ってんの?」

「本気だよ。 後一月後に転入する事になってる」

「お前が鳳とかマジありえねぇー!!」



胡座をかいたまま頭をぐしゃぐしゃかき乱しながらうな垂れる竜樹。


そんな事言われなくても、一番ありえないと思ってるのは当人である私だから。



「鳳学園って……本当にそんなところに転入なんてできるの?」

「なんかお祖父ちゃんがもう手続きしてくれたみたい」

「お前のじーちゃん何もんだよ!!」



何者なんだろう……。


私が知りたいくらいだよ。



「なんか、色々会社経営してるみたい。 私もあんまり詳しくは聞いてないからよくわかんないんだよね」

「何ていう苗字になるの?」

「宝生院だよ」

「宝生院!? 宝生院ってあの宝生院!?」



華のあまりの驚きに、私と竜樹は顔を見合わせた。


あのって、どの?



「宝生院グループっていって、常に世界の長者番付で十位以内に入ってる大企業だよ!?」

「……え?」



嘘でしょ……。


でもそれなら納得できるかもしれない。


あのただならぬお屋敷に。





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