お嬢様になりました。
私は竜樹の腕を掴み、パンに思いっきりかぶり付いた。



「お前ッッ!! 食い過ぎだろッッ!?」



売店のパンって美味しいんだよねー。


私はパンの味を噛み締め、お茶で流し込んだ。



「たまにはパンもいいね。 あぁー美味しかったぁー」

「お前まじで華を見習え」



華は私たちを見てクスクス笑っていた。


本当、華の笑顔は癒される。



「竜樹君、パンとっても美味しかった。ありがとう」



ニッコリ笑って竜樹にお礼を言うと、わざとらしく「うぇっ」と言いながら舌を出す竜樹。



「その喋り方……しかも君ってなんだよ君って……。」

「華の真似してみたんだけど、どうだった?」

「どうって……いや、うん……お前、今のままでいい」



華の真似して自分でも鳥肌がたった。


気持ち悪過ぎでしょ。



「葵は今のままでも十分可愛いよ」

「華、お前眼科行ってこッいてーなっ!!」



竜樹の頭をぶん殴り、私は何事もなかったかの様にご飯を食べた。



「シカトすんなッッ!!」



華は目に涙を浮かべて笑ってる。


竜樹はブーブー文句を言っている。


私はこの時間が大好きだ。





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