お嬢様になりました。
竜樹は頬杖をついて私の顔をジッと見てきた。


チラッと目を向け目が合っても何も言わない竜樹。



「何?」

「お前って変な奴だよな」

「はぁ? 竜樹に言われたくないんだけど……」



私からしてみれば竜樹の方が変わってる。


その証拠に周りの生徒はある一部を除いて竜樹には近寄らない。



「俺に遠慮なしに話すのも殴るのもお前くらいだよ」

「だって私たち友達でしょ?」

「そりゃそうだけど、俺の事怖くねぇの?」



竜樹は所謂ヤンキーと言われる類いだ。


それも喧嘩が強く、上級生すら竜樹の事を警戒している。


だから同級生も下級生も竜樹の事を怖がって近寄ろうとしない。


唯一近寄るのは竜樹と同じ様な類いの人たちであって、私や華みたいな普通の女子が竜樹と一緒にいるのは珍しいみたいだ。



「怖くないよ。 華の事助けてくれたじゃん」

「そうだよ。 あの時誰も助けてくれなかったのに、竜樹君だけが助けてくれた。 本当にあの時はありがとうっ」



華の言葉に照れ臭そうに顔を俯かせる竜樹。


こういうところは可愛いんだよね。







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