お嬢様になりました。
帰りのホームルームの時間になり、相模先生が教室に入ってきた。


毎回キッチリ同じ時間に入ってくる。


表情も変わらないしロボットみたい。


今日も「気を付けて帰れ」の一言で終わりだろうな。


気を付けて帰れも何も、みんな車だから関係ない気がするけど誰も突っ込まない。



「来月の上旬からテスト期間に入る。 好き勝手するのもいいが、勉強は怠るな。 以上」



そう言うと相模先生はさっさと教室を出て行った。


私は固まってその場から動けなかった。


テスト……そう言ったよね?



「まだ帰りませんの?」

「テストって何!?」

「期末テストの事ですわ」



芽衣はクスクス笑いながら、生徒手帳の年間スケジュールを見せてくれた。


スケジュールを見た途端眩暈が……。



「テストまで二週間ちょいしかないじゃん!!」

「先生が授業でお話しされた事がテストになるだけですから、そんなに心配なさらずとも大丈夫ですわ」

「あ、はは……そうだね……」



自慢じゃないけど、私の頭はそんなに賢くないんです。


このままだと確実に全教科赤点だ……。



「ではまた明日」

「うん、バイバイ」



芽衣は上品に手を振ると、優雅な足取りで教室を後にした。





< 78 / 360 >

この作品をシェア

pagetop