しいと星屑



私はこんな夢を見た



私は雪乃ちゃんになっていた

可愛い、くるんとしたまつげ

ぷるんとした唇

汚れのない綺麗な肌

私はその容姿で学校に向かう

私は自信がたっぷりだった


これで私は雪乃ちゃんみたいになれる

これで朔を振り向かせられる


私が教室に入ると、
雪乃ちゃんは孤立していた

雪乃ちゃんは寂しげな表情を浮かべて
席についていた

そして雪乃ちゃんは、
私の容姿をしていたのだ

私は雪乃ちゃんに話しかけようとした

だけど私の周りには、
すぐに大勢の女の子達が集まった

「ねえねえ千文!」

「ねえ千文ってば」

皆、私に話しかけてくれる

私の周りに来てくれる


私はそれが嬉しくて嬉しくて、

一瞬、一瞬だけ、

雪乃ちゃんのことを忘れていた


でもすぐに私は
雪乃ちゃんのことを思い出して

雪乃ちゃんの方を向いた

すると雪乃ちゃんは、
とんでもない形相で

私のことを睨んでいた



私はそのとき、目を覚ました。


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