殺し屋天使
暴虐達の動きが格段に鈍かったとか、少年が思いの他すばしっこかった、と言うワケではない。
チンピラ達は相変わらず獰猛で餓えた猛獣の如くに獲物に飛びかかったし、少年は少年でやはり寝起きか!?と突っ込みたくなるような怠惰な身のこなしだった。
なのに―――この結果が現実。
モノノケに化かされた、としか思えない心境であった。
この後、男がこの殺し屋を屠るべくある殺し屋を依頼したのは目で見た現実を信じきれなかったから。
その殺し屋がその世界で一流と呼ばれる者であったのは、目で見た現実を理解したからであった。