殺し屋天使

そこで意外な闖入者の所為ですっかり存在を忘れかけていた人物を思い出し目をやる。


なにやら赤い顔をしてワナワナ震えていた少年は彼と目が合うなり―――


逃げた。



「……ロリコンど変態」


いやいやいや。


社会抹消に関わるよーな誤解をぺろっと口にするのは止めてくれ。


というか赤い顔してナニを想像してるんだか。


言われたセリフをフルスイングで打ち返してやりたい。





彼女が首を傾げる。


「あれ、コイツ誰っスか?」


「そーじ屋。」


応えて彼は視線を揺らした。


示した先には男と思しき躯が一つ。


掃除屋とは書くもごとき。


血で汚れた現場の掃除から死体処理まで担う業者の事である。


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