先生、スキ




「斎藤だ~
確かいつもテスト1位だよね」


「はあ、貴方誰ですか?」



私は鬱陶しそうに彼に尋ねる。


「え~~?知らないの~~?
半年くらい前にこっちに来て、もう慣れてきたって言うのに。」



「は?新手のナンパですか?」


彼は子犬のような瞳で私を見つめる。


「おーれっ
小林尚人、22歳。
世界史の先生だよ?覚えてない?」


授業中はほとんど寝てるから覚えてなかった。



「知りません、全然。
私、基本寝てるんで」



「ええ~冷たいな~」



「はあ、もう鬱陶しいからどっか行ってください」



私が冷たく吐き捨てると
先生は眉毛を少し下げた、かと思うと
今度は一気に瞳がキラキラと輝きだす。



「溜息つくと、幸せが逃げてっちゃうよ!!」


そして持っていた缶コーヒーを私の顔にピタッとくっつける。



「あつ・・・」



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