先生、スキ
私が正門通るなり
チャラそうな男が私を囲んだ。
「ちょっとぉ?梨菜ちゃん♪」
誰、コイツ。キモイ。
香水臭いし
着崩しすぎだし。
皆顔一緒に見えるわ。
なんですか、そう言おうとした時だった。
「ちょっと~、竹田?
斎藤ちゃん、嫌がってるよ」
そう言って手を引いたのは先生だ。
細くて筋肉質な先生の手。
「梨菜ちゃんも気をつけなよ?」
「別に、先生に助けられなくても大丈夫だった」
素直じゃない。
私は変なところで頑固だ。