先生、スキ
「ふうん~ま、俺馬鹿だからねっ」
そうしてまた笑った。
胸が苦しい。
こんなにも先生が好きだってことが分かる。
「じゃ、俺行くね」
そうして先生は職員室へ
足を進めようとした時、
咄嗟に私は先生の手を握った。
「ねえ、先生。」
「ん?どした??」
その瞳は“生徒”に向けられる
優しそうな、あったかい瞳。
生徒なんかじゃ嫌だよ。
ちゃんと“女の子”として見てよ。
「明日、休みだからどっか行かない?」
「へ?先生と生徒は遊んだりできないぞ??」
先生は馬鹿だ。
天然だ。
鈍感過ぎだ。
でも諦めたくなんかない。
「世界史の勉強したいの。
教えて欲しいなあ先生に。」
私は先生の手を強く握った。
「じゃあ、どっかの図書館で勉強会でもするか!」
詳しくは放課後、そう言い残して
彼は職員室へ向かった。