明日もいつも通りに、会いましょう。
そう。
この景色は。
あの甘味屋の壁に掲げられた風景画。
唯、ひとつ。
わからなかった場所。
旅先で描いたものを飾ってるって言ってたから遠い街だと思ってた。
でもこんな近くに…。
おばさんに教えてあげたらきっと喜ぶだろう。
もういいって言ってたけど
絶対、知りたいと思ってるはずだから。
私は携帯で角度をいろいろ変えながら、
その風景を撮る。
そして
「行こうよ?」
嬉しくて嬉しくて、
満面の笑みで私は中村くんに声をかける。
中村くんは私の瞳をじっと見て、
「わかった」
私の思いが伝わったのだろう、
そう一言だけ答えた。