カレの事情とカノジョの理想
ちょうど考えていた時に現れたから、余計に驚いて声を荒げてしまうと、周囲の目が一斉に私たちの方へと集まってきた。
恥ずかしい……!
ただでさえ、蓮沼くんは人目を引くのに!
「ちょっと蓮沼くん! やめてってば!」
私の声には耳も貸さずにクスっと笑うと、更にぎゅっと抱きしめられてしまう。
「その蓮沼くんっての、やめよーよ。他人行儀だなぁ」
言ってから、さり気なく胸に手が下りてきて、膨らみをなぞられた。
瞬間カッと頭に血が昇って、顔が赤くなったのが分かる。
……信じられない!
人前で何するのよ!この人はぁっ!!
「ちょっ……嫌がることしない約束でしょ!?」
「んー? 一方的に条件出されるのって、不公平だよな」
触れる位に近い距離で、蓮沼くんは耳元で話し続ける。
声を出す度、耳に吐息が吹きかかってくすぐったい。
「ヤスって呼んでよ。そしたら離してやるけど」