【完】素直になれよ。
お前のそばにいんのは
俺以外…ありえねーだろ。
密かにそんなことを思っていると
目の前から久留米の姿が消えた。
それと同時に
胸の中にぬくもりと、
背中に回される華奢な腕の感覚を感じる。
「……よかった…」
胸の中でするその声で
久留米が俺に
ぎゅっと抱きついているのがわかった。
「久留米…?」
「よかった…ほんとに……」
久留米の腕の力が強くなって
心臓のある場所が
より久留米に近づく。
それに比例するように
俺の鼓動はどんどん加速していった。
……っ。
もう限界…。
心の中で発した言葉と同時に
俺の手は久留米の後ろ首を捕らえて、
もっと…もっと強く
自分の胸に押し付けた。