恋
きょとんと私を見る浩介くんの肩に手をかけて夏木くんは微笑む。
「理系の女子だから人数少なくて。俺らほぼ言いなりだよ。女王蜂みたいなもん」
だから気にすんな。
そんな声が聞こえてきそう。
私の顔色が変わったのを、察知していち早くフォローを入れてくれたのは夏木くんだった。
浩介くんはそれ程気にした様子も無く、立ち上がると今度は私の前の席に座った。
「そうそう。他にはこんなのもやったぜ? ちょっと面倒くさいんだけど」
「うん」
「まずじゃんけんして……」
彼は机に図を書くようにしながらそのゲームの説明を始めた。
夏木くんはゆっくりと浩介くんの隣から、私の後ろの方に歩いてきた。
どうして?
一瞬どきりとしたけれど、夏木くんの覗きこむような仕草に、単に浩介くんの説明を見やすい位置で見たかったのかと納得する。