ドメスティック・エマージェンシー
「あっ」

「あ?」

頼れる人にピタリと当てはまった人物がいた。
父や母とは明らかに違う人間。

「ねえ、おばあちゃん家は?」

「ばあさん?」

祖母のしわくちゃで焼けた顔を思い浮かべながら有馬に提案してみると露骨に顔をしかめた。

有馬は祖母が嫌いだ。
私は大好きだ。
あの人は平等だから。

両親は有馬だけを特別視するがあの人は私もちゃんと[人間]として扱ってくれる。
甘く、時に厳しかった。

有馬も昔はよく叱られたものだ。

だからだろう。
有馬はそれが気に食わないらしい。
自分を選ばれた人間、特別な人間だと思っている有馬にとって叱られたり、無能だと見下す私と同じ扱いというのはありえないことだった。







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