フシダラナヒト【TABOO】
「相変わらず性根腐ってんな」

「知ってるよ」




勇二が私のことを好きなことは知っている。

でも彼と付き合う気は一切ない。

だって。一生彼の心に棲みついていたいから。



大好きな大好きな勇二。


私がバージンロードを歩くのを彼はゲストとして眺める。悔しい思いをして、叶わなかった恋心をいつまでも大切に持っているの。たとえいつか勇二が別の人と結婚してもずっとずっと。



「私、腐ってるの」


腐ってどろどろになってぐちゃぐちゃになった、この歪んだ愛も嫌いではない。

そして彼のくれる純粋で汚れのない愛を宝物にして私は生きていきたい。



ピュアではない私がピュアでいられる唯一の場所が勇二の隣。




彼氏がいるのに。


なんてふしだらで、なんてピュアな女なんだろう、私って女は。






フシダラナヒト【TABOO】完
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