フェイク
きょろきょろしているともう一度

「理緒さん、後ろ」

という声がした。



振り返ると、2メートル程離れた所に翼さんが立っている。



私、1人で歩いて来ちゃったんだ……。


「すみません!」


慌てて翼さんの所まで戻った。


「ごめんなさい!

全然気付かなくて……」


「いえ、気にしないでください。

ちょっと休まないかなって思ったんですけど……」



翼さんの視線の先には

桜の木の下に、お堀の方を向くようにして置かれたベンチがあった。
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