まほろば【現代編】
どうしてもそれだけはさせちゃいけないという気持ちが働いて少し乱暴だったが、ハルカの腕を強く引いていた。

その後の展開は、自分でも思いもよらない行動をとったと思う。

勢いとはいえハルカに告白しキスまでしてしまった。瞼を閉じたハルカの少し震える様があまりに可愛くて、改めて俺の中でのハルカの存在の大きさを思い知らされた。

ハルカは、真人に対して何の警戒もしていない。

ハルカも馬鹿じゃないから、本当に危険に感じたらいくらなんでもあそこまで懐くこともないだろう。

だが……。

ハルカを家の前まで送ってから、今は帰路についていた。

どうも腑に落ちない。

考え事をしていたので、気づけばもうすぐ鳥居が見えるというところまで来ていた。

ふと、その鳥居に違和感を感じる。
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