まほろば【現代編】
ひとまず、本題に入る前に、白虎の回復のための手はずを整えた。

ハルカは不思議そうにしていたが、特に反論することなく白虎を膝の上に載せると優しい手つきでその体を撫でている。

おそらく、無意識で行っていることなのだろうが白虎の中にハルカの癒しの気が流れ込んでいっているのは明白だった。

ハルカの瞳が夢見るようにトロンとしてきたのを見計らって、話し始めた。

「今日、集まってもらったのは残りの四神の行方についてなんだが……」

ハルカの瞳が完全に閉じられたのがわかった。こうなったら、ハルカにはここでの会話は聞こえなくなるだろう。

別に隠すような話をするつもりはないが、何故だかハルカにはあまり聞かせたくはない気がしていた。

「残りは青龍の行方だけだ」

この場にいる者なら、朱雀・白虎そして玄武が揃っていることは承知しているだろう。

わかっていないのはハルカだけ。

どうも、ハルカにはそういった探知能力のようなものが欠如しているところがある。
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