まほろば【現代編】
「だって、飛龍にオレに会わないように言われてるんじゃないの?」
「えーっと、それは……」
言葉に詰まっていると、真人君が小さく笑う声が聞こえた。
見上げれば、優しく目を細めながら微笑んでいる顔が目に入る。
「遙ちゃん、一言だけ言いにきたんだ」
真人君が何を言いたいのかわからなくて、ただ首を傾げる事しか出来ない。
そんな私の様子を見て、さらに目を細めると頬をその大きな両手で覆われた。
「遙ちゃん。オレ、君に会えて良かったよ。ありがとう。それと、ごめんね」
そう言いながら顔が近づいてきたかと思うと、おでこにひんやりとしているけど柔らかい感触が伝わった。
それはすぐに離れて、一瞬真人君と目があったかと思うと、次の瞬間にはするりと真人君の身体が遠のき神社の中へと消えていった。
人間とは思えないほど素早い動きに、私はなす術もなくただ呆然と見送ることしか出来なかった。
それにしても、真人君が言いにきた一言ってまるでお別れの言葉みたいだった。
どういうことなんだろう?
とりあえず、結界の張りなおしが終わったらもう一度ちゃんと真人君と話してみよう。
今はただ、無事に結界の張りなおしが終わることを祈るのみ。
先ほどより少し高くなった月を見上げながらぼんやりとそんなことを考えた。
「えーっと、それは……」
言葉に詰まっていると、真人君が小さく笑う声が聞こえた。
見上げれば、優しく目を細めながら微笑んでいる顔が目に入る。
「遙ちゃん、一言だけ言いにきたんだ」
真人君が何を言いたいのかわからなくて、ただ首を傾げる事しか出来ない。
そんな私の様子を見て、さらに目を細めると頬をその大きな両手で覆われた。
「遙ちゃん。オレ、君に会えて良かったよ。ありがとう。それと、ごめんね」
そう言いながら顔が近づいてきたかと思うと、おでこにひんやりとしているけど柔らかい感触が伝わった。
それはすぐに離れて、一瞬真人君と目があったかと思うと、次の瞬間にはするりと真人君の身体が遠のき神社の中へと消えていった。
人間とは思えないほど素早い動きに、私はなす術もなくただ呆然と見送ることしか出来なかった。
それにしても、真人君が言いにきた一言ってまるでお別れの言葉みたいだった。
どういうことなんだろう?
とりあえず、結界の張りなおしが終わったらもう一度ちゃんと真人君と話してみよう。
今はただ、無事に結界の張りなおしが終わることを祈るのみ。
先ほどより少し高くなった月を見上げながらぼんやりとそんなことを考えた。