まほろば【現代編】
そこから一人の女性がワゴンを押しながら入ってくる。

その女性も、真人君と同じように銀の髪にグレイの瞳を持っている。

どうやら、ここにいる人たちはスサノオ以外真人君と同じような特徴を持っているようだった。

少しきつめの美人さんって感じの女性が、淡々とワゴンに乗せられていた料理をテーブルの上に乗せていく。

目の前に広がる、今までに見たことがないような料理の数々に思わず喉が鳴ってしまう。

「どうぞ、お召し上がりください。お食事が終わりましたら湯浴みの準備が整っておりますので……。では、またお食事が終わりました頃伺います」

それだけ言うと、何故かこちらを一瞬睨むような視線を投げかけてから女性は出て行ってしまった。

その視線はとっても気にはなったけど、今は目の前のご馳走だ。

両手を合わせて。

「いっただっきまー」

（食べちゃダメだ！）

「す？」
< 458 / 702 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop