まほろば【現代編】

リュウiv

俺たちが根の国から帰ってきたとき、四神はまだ眠りこけていた。

だが、ハルカのお陰ですぐに目を覚ますことが出来た。

あの時、スサノオが言っていたようにハルカは自分の力を自由に引き出す術を身につけたようだった。

ただ、一つ不思議だったのは、玄武のクロキだ。

確かに、俺が根の国に行く前は真人と姿かたちはそっくりだったはずなのに、戻ってきてみたら、紗和や紗来とほとんど変わらないぐらいの見た目年齢になっていた。

ハルカなど、クロキを見たとたん目を輝かせて「かわいい!」などと言って、四神が目を覚ましてからも、何かとクロキの世話をするので、こちらとしては何とも複雑な気分だった。

だいたい、四神に年齢などあるわけがないのに、どうしても見た目に騙されてしまうからたちが悪い。

唯一の救いといえるのかはわからないが、ハルカがクロキの世話ばかりするものでホムラが拗ねて、しょっちゅう邪魔していたということだろうか。

そして――
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