まほろば【現代編】
結局、ツチグモの一族は中臣本家で全員面倒見ることは出来ないので、各地に散らばる分家に数名ずつ分けて世話を頼んだ。

最初、ツチグモ一族の中にも激しい抵抗を示すものも何名かいたが、イリネや真人の説得のかいあって、今はようやく落ち着いている。

長かった夏休みも忙しさに追われているうちに終わり、新学期が始まってしばらくたった。

明日は、いわゆる中秋の名月と言われる日だ。

何故か日課のようになっているが、俺の部屋にハルカと四神そしてツクヨミが集まっていた。

「飛龍様。明日、結界の張りなおしを再び行ってください」

しばらく雑談した後、ツクヨミが当然の流れのようにそう言い出した。

だが、俺としてもおそらく結界を張りなおすなら明日しかないだろうと考えていたので、特に驚きはなかった。

ただ、ハルカだけは不思議そうな顔でみんなの顔を見比べている。

そんなハルカの前に、ホムラがちょこんと座った。

そして、その両手を握ってハルカの目を覗き込む。
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