まほろば【現代編】
それでも、この地を、ひいてはこの国のためだ。

このことは、とりあえず最後の最後までハルカには秘密にしておこう。

それよりも、まずは他の四神に相当するモノを集めなくてはいけない。

しかし、どこから手を付ければいいのかわからない。

トントントン。

部屋のドアがノックされた。妹たちなら、その後すぐにドアを開けられるだろう。

だが、俺の返事を待っているということは……。

「――どうぞ」

静かにドアが開いて、その人が入ってきた。

長い黒髪を後ろで一つに束ねて、白のブラウスにジーンズという、いつもと違ってかなりラフな格好の綾姉だった。

「リュウ君、今ちょっといい?」

頷いた俺を確認してから、俺が寝転んでいるベッドの足元に腰を下ろした。
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