別れ道での約束
「あれ?お兄ちゃん、いつ帰ってきたの?」


大阪の会社に勤めている元哉お兄ちゃんは私より6つ上。


「久しぶりだな、咲良。しっかり勉強しているか?分からないとこあったら、聞けよ」


年が離れているからいつも面倒見てくれる。


「ありがと。でも、大丈夫だよ」


「そうか?人に頼らないで出来るようになったなんて、咲良も成長したな」


「だって、来年には大学生だよ」


久しぶりに家族が揃って、話が弾む。


「あと15分で今年も終わるぞ。明日、みんなで初詣に行くか?」


お父さんの提案…残念ながら、無理だ。


「ごめん。あたし、大智と行く約束してるから」


「あー、俺も彼女と行くから」
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